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モササウルス類は海生爬虫類の一種で、滄竜と呼ばれることもあります。約9800万年前に出現し、白亜紀後期の海で繁栄しました。現生の生きもので言えばトカゲやヘビに近い生物です。大型(数メートル以上)でヒレ状に進化した足と鋭い歯を持っていました。その化石は世界中から発見されていて、30属60種以上が確認されています。なかでもティロサウルス属やモササウルス属は有名でよく図鑑などにも登場します。

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モササウルス類の分類

モササウルス類の中にはモササウルス亜科があり、さらにその中にモササウルス属が含まれています。「モササウルス」というとモササウルス属のことを指すこともありますが、本サイトでの「モササウルス」はモササウルス類を指しています。

モササウルス類は魚等を捕食するほか、ときには小型の首長竜やウミガメを襲うこともあったようです。なかには体長10mを超えるような大型のものも存在し、海の王者として君臨していましたが、約6600万年前に恐竜と共に絶滅し、現在ではその姿を見ることはできません。

モササウルス類の生きていたときの姿については、昔から多くの復元画が描かれてきましたが、2010年に「尾が二又に分かれていた」という学説が登場するなど生態に関する研究が進展し、その復元像は急速に変わってきています。最新の復元画(下図参照)では、トカゲやヘビよりむしろイルカやシャチに似た外観になっていますが、これはモササウルス類がより水中生活に適した体型に進化していたという考え方の現れです。

※Lindgren,J.,M.W.Caldwell,T.Konishi and L.M.Chiappe(2010)Convergent evolution in aquatic tetrapods:insights from an exceptional fossil mosasaur.PloS ONE,5(8):e11998.doi:10.1371/journal.pone.0011998.

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モササウルス類の生態復元図 作画:小原志津子・小西卓哉

イルカに体型はよく似ていますが、尾の分かれ方が違います。イルカの尾は水平方向に分かれて左右対称の形であるのに対し、モササウルス類の尾は上下方向に非対称に(下の方が長い)分かれます。また、イルカには後ろ足(ヒレ)はありません。

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   モササウルス類の生態復元模型 制作:古田悟郎(海洋堂) 監修:小西卓哉(シンシナティ大学)