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和歌山最古の化石は?

現在のところ和歌山県最古(さいこ)とされている化石は、広川町西広の名南風鼻(なばえのはな)と呼ばれる半島で発見されたものです。それは石灰岩(せっかいがん)に含まれていた原始的なサンゴの化石で、約4億3000万年前のものと考えられています。ちなみにこれは近畿地方最古の化石とも言えます。

名南風鼻には、この化石が含まれていた石灰岩以外にもさまざまな岩石(主に火成岩や変成岩)が分布しているのですが、それらはみな異常に年代の古いものばかりです。ですからこれらは、まわりにある岩石と区別して「黒瀬川構成岩類(くろせがわこうせいがんるい)」と呼ばれています。黒瀬川構成岩類は、もともと大陸の奥地にあった岩石だと考えられていますが、それがなぜ今この場所にあるのかについては、まだよくわかっていません。

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サンゴの化石

名前:シェドハリシテス・キタカミエンシス
学名:Schedohalysites kitakamiensis
産地:和歌山県有田郡広川町西広(名南風鼻)
年代:古生代シルル紀中期
   (約4億3000万年前)
寄贈:大西哲郎氏

古生代(こせいだい)の終わり(約2億4500万年前)に絶滅した床板(しょうばん)サンゴ類の仲間です。断面のもようが、鎖(くさり)がつながったように見えることからクサリサンゴとも呼ばれています。


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サンゴの化石

名前:ファボシテス属の一種
学名:Favosites sp.
産地:和歌山県有田郡広川町西広(名南風鼻)
年代:古生代シルル紀中期
   (約4億3000万年前)
寄贈:大西哲郎氏

クサリサンゴと同じ床板サンゴ類の仲間です。横断面がハチの巣のようなもようをしていることから、ハチノスサンゴとも呼ばれています。


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サンゴの化石

名前:ヘリオリテス属の一種
学名:Heliolites sp.
産地:和歌山県有田郡広川町西広(名南風鼻)
年代:古生代シルル紀中期
   (約4億3000万年前)
寄贈:大西哲郎氏

床板サンゴ類の一種です。断面のもようが絵に描いた太陽のようにも見えるので、太陽(日)の石という意味で日石(ひいし)サンゴとも呼ばれています。


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サンゴの化石

名前:トリプラズマ属の一種
学名:Tryplasma sp.
産地:和歌山県有田郡広川町西広(名南風鼻)
年代:古生代シルル紀中期
   (約4億3000万年前)
寄贈:大西哲郎氏


四放サンゴ類の一種です。四放(しほう)サンゴは古生代の終わり(約2億4500万年前)に絶滅したサンゴのグループで、枝状(えだじょう)の形をしています。