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海底に眠るナウマンゾウの化石

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和歌山市の友ヶ島付近の海底からは、ときどき底びき網にひっかかって動物の骨や歯の化石が引き上げられるのですが、その中に約35万年~2万年前に日本列島に生息していたと考えられているナウマンゾウの化石があります。いったいどうして海底にナウマンゾウの化石があるのでしょうか?  

この謎を解くには、まずこのナウマンゾウが生きていた時代について知らなければればなりません。
実はこのころは、寒い氷河期(ひょうがき)と暖かい間氷期(かんひょうき)が数万年おきにくりかえしているというそんな時代でした。氷河期には海水の一部が北極周辺や南極の氷となって海水の量がへり、海水面が下がるのですが、その結果、氷河期には紀伊水道の一部が陸地になったようです。

現在では海になっている友ヶ島付近にも広大な平野が広がり、そこにはナウマンゾウをはじめとするたくさんの動物たちがくらしていたのでしょう。

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哺乳類(歯)の化石

名前:ナウマンゾウ
学名:Palaeoloxodon naumanni
産地:和歌山市友ヶ島沖の海底
年代:新生代第四紀更新世中期~後期
    (約35万年~2万年前)

下あごの歯の化石です。