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はじめに

学芸員 平嶋健太郎がご紹介します

ハゼというと、どの様なイメージをお持ちでしょうか?
 川や海の底の方にいる、地味な魚という感じでしょうか。
 ここでは、ハゼの意外な魅力や不思議な生活を知っていただきたいと思います。ただハゼの仲間は、とても種類が多く未知の部分も多いため、このページでは全てを紹介しきれませんが、そこはご勘弁を・・・
 できるだけ新しい情報も取り入れて、分かりやすくやっていくつもりですので、よろしくお願いします。





ハゼってなに?

1㎝から80㎝まで、多様な種

ハゼは魚の仲間です。現在の分類学では硬骨魚類綱のスズキ目ハゼ亜目(あもく)に属する魚をここではハゼと呼んであつかいます。
(現在、日本のハゼ亜目は9科で構成されています)

 魚類なので主に水の中で生活していますが、他の魚の種類では見られないほど多種多様な進化を遂げており、半陸上生活をするハゼや泥(どろ)の中にすむハゼ、肉食性のハゼや草食性のハゼ、体長80㎝にもなる大きなハゼや、1㎝ほどの小さなハゼなど生活スタイルや外見も多様であることが分かります。



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大きなハゼ ハゼクチ
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小さなハゼ ミツボシゴマハゼ

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  ただし、同じハゼの仲間ですから、ある程度の共通な部分もあります。たとえば腹鰭(はらびれ)はほとんどの種類で左右が癒合(ゆごう)して(一つになって)吸盤(きゅうばん)のようになっています。また、背鰭(せびれ)は二つ(二基)あって、第1背鰭と第2背鰭と呼ばれます。いずれも例外のハゼがいますが、ハゼの基本形はこの様な感じです。

 また、卵を保護する種類が多いという特徴もあります。普通、魚類の多くは卵や精子を水中や砂の中に出して後は放っておく事が多いのですが、ハゼはオスがなわばりや産卵床(さんらんしょう)を作ってメスに卵を産ませ、ふ化するまで保護するというスタイルをとる種が多くいます。水槽飼育で観察すると結構楽しめます。
 ハゼという生物は、未だに分類学的に混乱しているところがあります。また前述のとおり生態学的、行動学的に面白いものがあります。
 また、非常に種類数が多く(日本産だけで400種以上)日本近海で見られる魚種の三割近くがハゼの仲間なのです。